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あざらしとペンギンの問題

主に漫画、数値計算、幾何計算、TCS、一鰭旅、水族館、鰭脚類のことを書きます。

お鰭持ち表明

金曜にお会いした方もそうでない方もこんにちは。あざペンです。

前回の更新以後、何の告知もせずに頒布翌日まで来てしまってすみません。もっとも、筆者の怠惰によりこのブログは半年更新しないこともあるので珍しいことではありませんが。

コミックマーケットでの初のサークル参加から翌日になって整理がついてきたので、今の気持ちを書くことにします。当日私が思ったことについては私の twitter アカウントを参照してください。(今回は筆者としての言論ではなく個鰭としての私情を書くので一人称は「私」を使うことにします。)

鰭本的人権の無保証(@azapen6)/2016年08月12日 - Twilog

C90当選から未完成に至るまで

時間への敗北

まずは土下座させてください。本当なら harakiri したいくらいです。私の処女作である「帰宅演習」は未完成のままサークルスペースに並ぶことになりました。しかも印刷が当日になり、サークル受付に遅刻して一般入場する始末。最終的にスペースで頒布開始できたのは13時以降になってしまいました。

印刷はキンコーズ横浜西口店様にて行いましたが、ここは24時間営業なので本当はサークル受付に間に合うこともできたはずです。それを見越して私は近くの漫画喫茶に入って徹夜で作業していました。元々コピー本にすることは印刷部数と費用の関係から決定していたのですが、ここまで直前になるとは考えていませんでした。

しかし、結局間に合わず、最終的にすべての台詞を埋め込んだ段階で諦めて印刷することにしたのが8:30、サークル参加受付の締め切り時刻でした。当然この後形式変換から印刷まで残っていましたので、どこでもドアがあっても間に合わないという状況でした。

この時間までになったのは、台詞を埋め込まないとそもそも話が読めないので、ここで切り上げたのは最悪中の最良の選択だったと考えます。そのため、最後の方は吹き出しの作成も間に合わず、写真の埋め込みも酷い有様でした。絵に関して言えば塗り絵と考えて差し支えない状況で出すことに。次の画像は本体中のネタですが、それにすら到達できなかったのは痛恨の極みです。

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間に合わなかった理由を一言で言ってしまえば、私の漫画の制作に対する見通しが甘かったことです。そのためにスケジュール管理をろくにせず、結果として時間が足りなくなるという状況に陥りました。

元々私はスケジュール管理が極めて苦手であり、学生時代も遅刻やレポート提出遅れはいつものこと、論文や学会発表でもやらかして謝罪に行ったこともありました。もちろん怒られてはいたのですが、結局治らずそのうち諦められるということが昔から続いていました。私の対義語が punctual であると言ってもいいほど物心つく頃から遅刻癖があり、大人になっても治らないのは AD/HD を疑うべきかもしれません。

まず、私は漫画を描くことに関してはほとんど完全に素人です。時間がかかって当然なのです。漫画を描くこと以外にも事務手続きでやらなければならないことは多く、それも初めてなので時間がかかりました。私はC89で帰宅部合同誌「帰宅第一」に「OTCの謎」という6ページの漫画を寄稿しましたが、そのときは主宰の難波廃材氏(@yakime4)、DTP担当のyuwinet氏(@yuwinet)にほとんどの作業をやって頂いたので、私のすることは漫画を描くことだけでした。それも遅れて土下座案件だったのですが。今回はそれらも全部自分でやらなければならず、スタート地点が他の参加者よりも相当後ろでした。それを考慮して早めに動くことを怠ったのが今回の結果の一因ではあるでしょう。

結局は自分が漫画を舐めていたということに尽きます。何が創作の尊厳に背けなかっただ。私にそんなことを言う資格はなかった。

サークル参加に至るまで

そもそもコミケ参加2回目にしてサークル参加というのは随分飛躍したと思います。(コミケの次回申し込みは開催期間前後の短い間です。)それに至った原動力としてはは、1回目を見て創作という行為に人々を駆り立てる力を肌で感じたことが大きいです。プロと素人が同じ場に並んで自分が作ったものを発表するというのは、少なくともそれまでの経験にはありませんでした。学会ではプロの研究者と学生が同じ場で発表しますが、学生は決して素人ではなく、自分の領域では参加者の誰よりも知っていなければなりませんでした。しかし、コミケという場では発表したいものさえあれば誰でも発表できる権利があります。別に下手でも構わないのです。売れなかったとしても責任は自分だけにあります。その責任を負う覚悟のある者に対してコミケは自由を与えます。そんな場を眼の前にして、私もこの中に入ってみたいと思いました。先に名前を上げた難波廃材氏、yuwinet 氏。帰宅部の創作を続けておられるメロン泥棒氏(@melondorobou)の存在も大きかったです。

コミケへの参加については、前回のC89が最初でした。私は大学入学当時からパニック障害という神経性の持病があり、コミケのような人が高密度で集合する場所に行くことは一生不可能だと考えていました。しかし、今は薬で症状が抑えられているため、2年前からイベントに参加する機会が増えていき、ついにC89で念願のコミケ参戦を果たすことができました。とはいえコミケの時期は田舎に帰ることが普通だったので、「帰宅第一」への寄稿がなければ今回も含めて参戦していなかったかもしれません。

私は「帰宅第一」で「OTCの謎」を寄稿しましたが、これは凄まじい変化球だったと思います。それを書こうと思ったのは、私が昨年、北海道紋別市の「オホーツクとっかりセンター」(以下OTCと略す)を訪れたこともありますが、他の参加者が正攻法で行くことを期待して、ちゃんとした漫画を描いたことがない私がそれに埋もれないように絶対に被らないネタで行こうと思ったことがあります。当初は割と普通のギャグや日常ネタを考えていました。まぁ私にはセンスがなかったのでやめたというのもありますが。ともかく「OTCの謎」は世に出ました。しかし、それは私に心残りも残しました。私は素人なりに頑張りはしたものの、演出意図がはっきりしない部分が多くあり、また仕上げ作業が間に合わなかった(今回も)ために、かなり雑な仕上がりになってしまったことです。また、正攻法でいかなかったのは合同誌だからこそできたこととはいえ、勝負を避けたとも言え、あるいは帰宅部を描いたとも言えないのではないかという思いはありました。

だからこそ、ちゃんと私の帰宅部を描きたいという思いはありました。

仕事との両立

閑話休題。スケジュールがここまでキツキツになってしまった原因には、コミケに申し込んだ後に私にとって重大な出来事が立て続けに起こったことがあります。あまり楽しい話ではないので伏せますが、最終的に私は就職しました。そのため、自由な時間が取れなくなりました。毎日仕事をするということ自体私にとって初めてのことで、しかもその分野の素人でありながら専門技術者として働くことになったので、勉強すべきことも多く、漫画を描いている余裕はありませんでした。というよりは自分がコミケに申し込んだこと自体忘れかけていました。

現在、私は3次元コンピュータグラッフィックスおよび数値構造解析の分野でアルゴリズムの開発・実装を行っています。基本的には既存のソフトウェアや論文を調査してよい方法を考え実装するという、まぁ学生とやってることに大差はないです。しかし、学生時代の私は周り半分が競技プログラマという状況にいながら、実装をやらずに数学的な理論だけをやっていました。私は5歳頃にプログラミングに初めて触れ、その後は MS-DOSWindows*1 でお遊びのプログラミングをしたりしていましたが、そのうち関心が薄れ、今の職場に入るまでに相当なブランクがあるという状況でした。また、世の中の IT 事情にも疎く、他の会社からは相手にされない中で今の会社に拾われました。その理由は数学に強いということで、ほとんど学歴で採用されたようなものです。

私は中途採用扱いで入社したので最初から結果を求められ、実装もできるものとして扱われました。それは自分にとっては良かったのだと思います。私が作るからには世界で一番の性能を持つものを作らなければならないというのもあり、現在作っているものでは有名なソフトに圧勝できる程度のものは作っています。もちろん、仕事で作ったものを勝手に公開することはできません(私の首が飛びます)が、その中で使っているパブリックな技術についてはこのブログで説明することも考えています。

そんな状況で飛び込んできたのが、コミックマーケット90への当選でした。正直、無理じゃね、と思いました。決まってから辞退するという選択肢は事実上なく、やるとすれば欠席を申し出るしかありませんでした。しかし、私が当選したことで世に出られなくなった創作物がある可能性を考えれば、ここで引くのは創作という行為に対する背徳であると思いました。そして私はC90への参加を決めました。

世の中には仕事をしながら同人活動をしている方々が多くいるので、私にだってやってやれないことはないと最初は思っていました。しかし、現実はそう上手くいきませんでした。まず、私は新人であり、それこそ形状処理に関しては素人なので、いろいろ学ぶべきことが多く、仕事が終わったからといって遊び呆けていられるわけではありませんでした。職場は時間の自由がかなりあって早く帰っても小言を言われるということもなく良い環境です。しかし、その後近場で座っていろいろ考えたりしていると、帰っても食事をしてアニメを観て寝るだけ、翌朝シャワーを浴びて出社という日々が続いて漫画の筆はなかなか進みませんでした。

4月期が始まる前はきらら最長連載の「三者三葉」や原作を継続して買っていた「くまみこ」に期待していましたが、始まってみれば私は「あんハピ♪」にドハマりしていました。原作は現役フォワード連載の中では数少ない知っている作品であり、漫画の方は少々ご無沙汰になっていましたが、アニメには多少なりとも期待はしていました。大沼心監督のシルバーリンクの作品で、主演が花守ゆみりさんであることも視聴を決めたきっかけのではありました。大沼氏は良くも悪くも作品を自分の色に染めるのですが、きらら系タイプの監督をするのは初めてであり、どういうアニメになるのかに興味がありました。過去にシャフトで仕事をしていたことから「ひだまりスケッチ」に近い演出をする可能性が濃いかと思っていました。実際、ひだまりの監督も務めた石倉賢一氏が監督したきらら系アニメ「桜Trick*2では、ひだまりと見紛う画面が随所にありました。しかし、蓋を開けてみれば、あんハピ♪アニメは大沼監督らしさは所々にありながらも、萌えのポイントを押さえた上で日常系アニメにはないタイプのエンターテインメント作品になっていました。最も大沼氏らしさが感じられたのはOPの「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」の映像でしょう。声優陣の演技も素晴らしく、声優としての演技というよりもキャラクターが実際に喋っているように感じられました。誤解されやすい言い方をすると、声優が消えていると感じました。もちろん最高の賞賛のつもりです。一挙放送があるのは嬉しい限りです。今年は18きっぷ旅は諦めていましたが、それまでに米坂線の萩生駅に降りたいという欲求が強まり、結局行くことを決めました。ちなみに私ははなこ推しです。

とまた話がずれてしまいました。つまり言い訳をすると私には漫画に使える時間が限られており、それもアニメ視聴で潰してしまいました。この前の「聖剣使いの禁呪詠唱」も結局全部観てしまいましたね。

時間との勝負、そして敗北

その結果として、ペン入れが上がるのがなんと前日になってしまいました。会社からは前2日休みをもらって完成させるつもりで、半分はできていたのですが、後半は駆け足になってしまいました。それこそ1ページの作画が1時間とかいうレベルです。ネームの段階で作画が厳しいところはほとんど描いていたのですが、顔はほとんどその場で何も見ずに描きました。今回で得たことがあるとすれば、帰宅部メンバーを何も見ずに描けるようになったことくらいでしょうか。

それから仕上げ工程、つまりは枠線、フキダシを入れ、台詞を写植し、トーンを張るというところになって、私は家を出ました。24時間営業のキンコーズ横浜西口店の近くの漫画喫茶に入ったのが0時頃、背景は諦め台詞の写植までをとにかくやることにしました。いくらなんでも話が最後まで読めないのは漫画としてあり得ないからです。結果としては、次のような塗り絵になってしまいました。フキダシ入れも間に合わず、二値化のしきい値調整からのゴミの除去もろくにできず、酷い出来になりました。作業環境を後に示しますが、個々の作業は単純作業であり、私の手際は後々になると十分速かったと思います。それでも、1つの作業が数秒〜1分で終わるとしても、1ページあたりでは30分はかかり、たった20ページの漫画でさえ6時間では捌ききれませんでした。それに背景を入れたりトーンを貼ったりすると、丸一日はかかる作業だったというわけです。私は後述の通り GIMP 用のトーンブラシも作ったので、それにも多くの時間を消費しました。

これまで漫画を本にしたことのない私には、一つの漫画を仕上げるのにここまで時間がかかることを想定できませんでした。どんなに作業スピードを上げても物理的に間に合わないことを理解するのが遅すぎました。その結果として、優先度の低い要素を捨てざるを得ませんでした。

一言で言えば、私は有界な時間に敗北しました。今回の件で、私は漫画を最後まで仕上げるということがいかに大変なことであるかを思い知りました。それは落書きとは全く違う次元の話でした。今回のことで私は非常に懲りています。今後は仕事の関係もあって漫画を描くこと自体ないかもしれません。しかし、もしまた漫画を描くことがあるとすれば、「時間は有界であり、作業は膨大であり、一つの作業には一定以上の時間がかかる」ということを肝に命じます。

駅メモについて

今回、駅メモ本を作成する予定でしたが、結局出さないことになりました。もちろん時間的な問題が大きかったのですが、今年になって公式サイドが活発な動きを見せているので、自分が何かをする必要性を感じなくなったこともあります。前はお世辞にも良いとは言えなかったアプリの操作性が改善され、表示されていた広告も表示されなくなり、それなりに儲かっているのではないかと推測します。私は京都の「地下鉄に乗るっ」を応援していますが、その企業スポンサーにも「駅メモ!」が名を連ねていました。シナリオもまだ空きはあるとはいえ更新され、今は見守る段階になっていると思います。最近登場したさいかわでんこの「さいか」と「ハル」の絡みとか興味あるのですが、公開する場にしても pixiv が妥当でしょう。

ちなみに、出す予定だった本のタイトルは「平原駅駅ノート」でしたが、平原駅は長野県小諸市にあるしなの鉄道の駅です。本州には珍しい有蓋貨車を改造した駅舎と、やたら古い感じの駅名の立て看板が特徴で、なんといっても谷底の周りに家もないような場所にある一体誰が利用しているのか分からないような駅です。小海線の三岡駅からは徒歩で20分程度で、直線距離は近いものの直線では行けず、通過する電車が多いので、乗換駅としては機能しません。こんな駅でありながら、少なくとも2年前の時点では駅ノートがなかったのです。人が住んでいる場所にあって利用者がそれなりにいる三岡駅には駅ノートが置いてあったのに、です。そんな平原駅から名前を拝借しましたが、結局本は出ませんでした。代わりに写真を貼っておきます。

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私にとっての帰宅部

私が「帰宅部活動記録」に初めて触れたのは、原作1巻を本屋で見かけて買ったときでした。読んで最初に思ったのは、あざらしが可愛いことと、なんだかムズムズするということでした。そのムズムズは、小中学生の頃に漫画的な何かを描いていた者として、自分の過去を見せつけられているような感じでした。「くろは」漢字で書くと「黒羽」?あるいは「†黒羽†」か?これはヤバいと肌で感じました。1巻からメタネタのオンパレード、他の漫画だったら即ブッコフに売っぱらったところでしょうね。しかし、帰宅部のそのなんとも言えないムズムズ感は私に刺さり、継続となりました。正直、絵の下手さとギャグの切れ味では「みつどもえ」1巻に、絵の下手さとギャグの狂度では「クレムリン」1巻に遠く及ばないでしょう。しかし、帰宅部には完成された漫画にはない、帰宅部にしかできないことをやってくれる可能性を感じました。

そしてアニメ化が発表されました。正直、まさかと思いました。そして1話視聴。反応は案の定でしたね。予想外は声優でしたが、それもある意味予想の範囲内だったかもしれません。しかし、アニメ化不可能と言われたかもしれない原作を再現しつつキャラクターをしっかり描いた帰宅部アニメは、私にとってはこれぞ帰宅部のアニメだと思えるものでした。特にあざらしが可愛い。特にあざらしが可愛い。帰宅部アニメは日テレの不安定枠での放送となり、放送が何度か休止されましたが、あの枠でなければ、すなわち日テレでなければ制作はなかったでしょう。おそらくあの声優陣も帰宅部の制作には必要不可欠だったと推測します。結果として帰宅部アニメは我々の心に残るものとなりました。

そして帰宅部は終わりました。原作者のくろは先生も帰宅部は過去の作品だと明言されており、今更帰宅部で盛り上がることに対して否定的な態度を取っておられます。しかし、時々 twitter帰宅部キャラの絵を上げてくださることがあります。ツンデレなのかファンサービスなのか判断しかねるところです。私は「アザラシック・ワールド」が好きです。

帰宅部アニメから2年、2015年になって、twitter を見ていた私の前に一つの提案が流れてきました。それは難波廃材氏からで。帰宅部合同誌を出そうというものでした。折しも帰宅部声優が続々と事務所に所属し、やるとしたら今というタイミングだったと思います。私は漫画を完成させたことなどなかったため、一度はスルーしました。しかし、「今しかできないことがしたい」という帰宅部のキャッチコピーにつられてまんまと参加を決めました。

私にとっての帰宅部は、創作をしたくなるような何かを持っていました。それは最初に読んだときのムズムズ感と無縁ではないでしょう。難波廃材氏が卒業のためC90に帰宅部での参加はしないと仰ったことで、なら私が描くしかないということで1度目から間もなくして単独でのサークル参加を決断しました。

作業環境

漫画を描く環境としては少し珍しいと思うので、私の今回作業環境を書いておきます。

まず、私は基本的にアナログで作業しました。一応ペンタブは持ってはいるのですが、私がペンタブを用いてちゃんと絵が描けないことと、後述のPC環境の問題で、アナログでやっています。正直、PCでの作画は面倒なことが多くあって、それで絵をかく気になれないというのが大きいです。時代遅れかもしれません。ペンタブも結構高かったのですが、安らかに眠っています。

ラフは普通にシャーペンで描いています。どうせ後でペンを入れるので特に拘りはありません。ただ、消すときは練り消しを使っています。普通の消しゴムであまりゴシゴシやると紙が傷んで後から描きづらくなるので。

ペン入れには次の道具を使いました。コニカルビーカーは普通は滴定で使うものですが、ペン先や筆を洗うのに使いました。東急ハンズで売っています。重心が低くて倒れにくいのが机に置いて作業するのに便利です。ペン先はGペンしか持っていません。あと所々でミリペンを使いました。

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ペン入れの後はスキャンしてPCで仕上げ作業に入ります。私の作業環境は、

PC: ノートパソコン(マウスコンピュータ製)
OS: Arch Linux / Xfce4
ドロー: Inkscape
ペイント: GIMP
写植文字: LibreOffice Writer

です。漫画を描く環境としてはかなり変わっているのではないでしょうか。ノートパソコンを除けばすべてタダで手に入ります。正直に言えば私は皆が使っているような IllustratorPhotoshop を持っていませんし使えません。しかし、InkscapeGIMP も十分な機能を備えていると思います。何よりこちらに慣れているので今更変えてもまともに操作できるようになるまで時間を要します。なので仕事でどうしても必要という場合を除けばこちらを使います。

ただ、GIMP にはもちろんトーンなど入っていませんので、呉竹シオ様が作成された600dpiのトーンサンプルを元にトーンブラシを作成しました。これをもっと早くやっていればと思いますが後の祭りですね。

Arch Linux は単独で使う Linux ディストリビューションの中では Gentoo と並ぶミニマムな構成のOSで、初期状態ではほとんど何も入っていないため、必要な道具は全部自分で揃える必要があります。Gentoo との違いは、パッケージのインストール時にソースからビルドする必要がないことで、その分素早くインストールできます。初期状態ではデスクトップ環境が入ってないのはもちろんのこと、ブートローダーすら自分でインストールする必要があります。しかし、その分余計なものを入れずに自分の好みの環境を構築しやすいです。何より公式の Arch Wiki で日本語の説明が充実しているのが良い所です。他の Linux ディストリビューションを使う人も Arch Wiki を読むことで得られる情報は多いでしょう。Ubuntu などと違ってインストールにはそれなりのステップを要するのでとっつきづらいかもしれませんが、Linux の勉強になるので、むしろ Linux を本格的に使いたい初心者におすすめしたいOSです。かくいう私も初心者です。もちろん、手っ取り早くサーバーを建てるなどの用途には向いてません。ただ、ノートパソコンで使う分には Xfce4 環境は元々入っている Windows よりも動作が軽いのが良いです。そのため、メインではこちらを使っています。

強調しておきたいのは、今回私が「帰宅演習」を完成させられなかった原因は、作業環境のせいではないということです。

まとめと今後

とまあいろいろ書いてきましたが、「帰宅演習」が未完成に終わった原因は、私の漫画制作に対する見通しの甘さが原因であり、コミケ初サークル参加にして黒歴史を作ってしまいました。今回頒布用として吸った10部がちょうど完売したのは喜ばしいことではありますが、同時に未完成のものを売っていいのかという葛藤もありました。しかし、当日私のもとに来られた方々は、帰宅部本があるから手に入れたいという人がほとんどすべてだったので、改めて帰宅部活動記録は人々の中で生きていると感じることができました。

それと同時に同人活動の難しさも感じました。もし私が帰宅演習を完璧に仕上げ、オフセットで30部剃ったとしても、私は多くの在庫を抱えることになったでしょう。今後は仕事の関係もありイベント参加の予定がないため、今年は多分これで終わりです。とはいえ漫画を描くことが楽しかったのも実際で、性懲りもなく再開するかもしれません。

今回未完成に終わった帰宅演習については、必ず完成させます。私は曲がりなりにも帰宅演習のためにない心血を注ぎました。その本をなかったことにするのはともかく、それを買っていただいたことに対しては報いる必要があります。今回買っていただいた方々には何らかの方法で完成版をお渡しすることも考えています。

他に心残りがあるとすれば、帰宅演習は当初は4本立てになる予定だったのが、ページ数とスケジュールの関係で1本削らざるをなかったことです。それがあったら間違いなく落としていたのですが、私としてはいいシナリオが書けたと思うので、本当は一番描きたかった話です。それは今回の「帰宅演習II」の後に続く話で、「帰宅演習II」が中途半端に5ページなのはその名残です。内容は花梨とクレアのお泊り会です。私は帰宅部ではこの2人の組み合わせが好きで、曲も「キミについて言えること」がお気に入りです。しかし、ページ数が12ページになることと、私の作画能力を超えることから、泣く泣く削ることになりました。もし次に漫画を描くことがあれば、これに決めています。

帰宅部以外では、4月期でハマった「あんハピ♪」で描きたい気持ちはあります。ただ、これは原作が動いていることと、アニメが実質的な二次創作であることから、私が描くべきことがあるのかということもあります。ところで同じ牡丹という名前でも帰宅部の牡丹は最強、あんハピ♪の牡丹は最弱というのは面白いですね。この二人が出会ったら一体どうなるのでしょうか?まぁ私は関係ない作品のキャラを出すのが嫌いなのでやりませんけど。きらら系オンリーがあればあるいはと思わないでもないですが、今のところは様子見です。

それともう一つ、今回私はPC作業を主に Linux 上で行いました。InkscapeGIMP は画像編集には十分な機能を備えたソフトウェアです。しかし、漫画を作ることに向いているわけではないのも事実です。私も形状処理屋の端くれとして、Linux 上で漫画制作ができるようにすることに興味があります。漫画作成ソフトについてもそうですが、Linux では漫画に使えるフォントが十分ではありません。形状処理屋としては文字画像からストロークを抽出して既存のフォントとマッチングしてコードにマップする程度は夜飯前なのですが、フォントにはライセンスがあるため難しいところです。商売のあれこれに左右されずに漫画を自由に作るというのは現時点ではまだ難しいことです。私が今後漫画を描くことができるかどうかは不明ですが、別のところから漫画制作を支援したい気持ちはあります。

謝辞

まずは、今回、実力もやる気も及ばない私に発表の場を与えてくださったコミックマーケットおよびそれに関わる人々に感謝します。結果としては散々でしたが、鰭生において得難い経験となりました。当日、未完成にも拘わらず拙作を買ってくださった皆様には著者として最大限の感謝を申し上げます。現実にも帰宅部が生きていることを実感させていただきました。個人に対しては、前回「帰宅第一」を主宰して頂き、私をコミケに導いてくださった難波廃材氏(@yakime4)。yuwinet氏(@yuwinet)には創作の何たるか、オタクの何たるかを学ばせて頂きました。帰宅第一の寄稿者の一人で今回も帰宅部の本を出されたメロン泥棒氏(@melondorobou)は私にとって創作者としての手本でした。当日会場で拙作を受け取って頂きありがとうごうざいました。他の帰宅部創作者の方々も先輩として、あるいは仮想敵として私に影響を与えました。帰宅部をこじらせて「帰宅道」(@kitaku_do)を立ち上げられた氷嚢氏も忘れることはできません。あざらしから帰宅部に入ったといっても過言ではない私にとっては、インターネットあざらし達の存在も大きかったです。最後に、帰宅部アニメに関わったスタッフ、キャストの皆様、そして、帰宅部活動記録を世に生み出された原作者のくろは先生に最大限の賛辞を送って締めくくりとさせていただきます。

最後に

ちなみに今回の記事は10時間かけて書きました。過去の記事では合計で丸一日くらいかけて書いたものもありました。漫画に時間がかかるのは当たり前だ。このBA・KA・YA・ROU!

*1:私の家では2005年くらいまで Win95 が動いていました!

*2:こちらも中毒性が高いアニメです。