だれ?らじ

Web ラジオの『だれ?らじ』(音泉,毎週火曜配信)が面白い。いや,前から面白かったのだが,平成末期からは特に面白くなったと感じる。ひとつの要因として,2019年に『だれ?らじ三連単』が始まった*1ことが考えられる。番組後半はリスナーも含めて悪口の嵐が吹き荒れるのが恒例だった。まぁ前半も大概だが。深い仲だからこそ言葉に遠慮がなく,悪口をぶつけ合っても次の瞬間には忘れて喋り続けているところがこの番組の良さだと私は思う。

ただ,筆者が最近の『だれ?らじ』が特に面白いと思うのは,野村(香菜子)が弾けているからだと思う。注意しておくが,「野村」というのは単なる呼び捨てではなく,ニックネームのようなものだ。他のパーソナリティ2人からだけでなく,リスナーからも普通に「野村」と呼ばれている。「野村ァ」という表記も公認されているようだ。もっとも,他二人のパーソナリティには「お前」「こいつ」呼ばわりされることも珍しくない。一応,元所属事務所の後輩なのだが。

野村は潔癖症であることを除けば,およそ拒絶するということを知らないようだ。それは最年長の余裕などというものではなく,吸収力抜群の子供のような素直さから来るものだ。私はこのラジオ番組を100放送回(何度か聴き直すので延べで3倍くらいにはなる)以上聴いているが,彼女が誰かの発言について疑ってかかった場面を知らない。逆に,腹の内を隠して言葉を取り繕うことも全くできないようだ。そのため,周りが驚くような浅い発言をして突っ込まれたり,一瞬の感情を瞬発的に口走ったり(「脊髄反射でものを言う」と評される),思考のステップを飛ばした発言して(例:肝が冷える台詞に対して「夏みたい」*2)といったことが頻繁にある。また,純粋であるがゆえに,野村がネタで言ったキツめの台詞に対して,本気で言っているようで一番響くと言われたこともある。

野村はまた外部からの影響も受けやすいようだ。2019年末にはリスナーのメールや他のパーソナリティ2人からも言葉遣いが荒くなったことに言及された。いや,原因はあなたたちでしょうに。「X(メ木几又を組合せた1字)すぞ」などの暴言は『だれ?らじ』では当たり前に飛び交うものだが,野村がそれを乱用するようになり,番組の治安の悪さに貢献している。もっとも,野村の場合は子供が汚い覚えて使いたがるような感じで迫力はないのだが。

筆者が『だれ?らじ』にたどり着いたのは,『ららマジ』というモバイルゲームで角元明日香という声優を知ったことに始まる。3人の元々の接点であった某ミリオンのことは,ほとんど番組内で流れてくる話でしか知らない。もし『ららマジ』をプレイしていなければ,今でも『だれ?らじ』を聴くことがなかった可能性は十分に考えられる。そうすると角元明日香と野村香菜子のことはそれこそ「誰?」という状態だったかもしれない。(『ららマジ』について言いたいことは八甲田山の積雪ほどにあるが,それは別に独立の記事を立てるかもしれない。)

なお,ベイ先(ベイブレード先輩。諱:駒形友梨)のことは『だれ?らじ』以前から,名前と顔と『ラジオどっとあい』をやっていたことくらいは知っていた。多分どこかで目か耳に入った「ベイブレード先輩」のインパクトが強すぎたせいだろう。見た目のインパクトについてはラジオで散々いじられているのであえて言うまでもない。そんな彼女になんとファンクラブができたそうで,「誰だかよくわかんねぇ」のコンセプトから全く外れてしまった。とはいっても,声優アーティスト・駒形友梨からベイ先への有向パスが存在しないので問題ないだろう。

番組を聴いていてよく思うことは,角元明日香がラジオでもプライベートでも他の二人と本当に打ち解けて楽しくやっているなぁ,ということだ。彼女は自他共に認める,他人に興味がなく馴れ合いなど不要というタイプの人間であるらしいので,番組とはいえゲラゲラ声を上げて笑う(彼女の笑い声はおよそ「可愛い」というポジションの真逆を行くものである。いつかの回で「蛙か何かを潰したような音」と喩えられたことがある),家族に野村の話をする,収録後に一番くだけて喋っている,などといったことは本来ならばあり得ないはずだ。そんな彼女が現実そうなっていることに,私は「尊い」と感じてしまうのだ。

その角元には昨年から一人暮らしを始めたという大きな変化があり,最近の暮らしぶりの話題が結構出るようになった。以前はといえば,部屋の床が見えない,部屋で飲酒していたが物足りなくなり,夜の帳に消えて翌朝までの記憶がない,スマフォを開いたら知らない友達が多数できていた,飲み会で何かしらあって野村の世話になった,などなど,これ以上は放送に乗せられないのでカットになったというエピソードが多かった。実は野村(既婚者)が一番しっかりしていて角元が一番ぶっ飛んでいるという話は最初からあったが,一人暮らしになってからは上手くやっているようだ。料理が元々できる方だったことは大いに役立っているだろう。(対して,野村は料理の企画で包丁を使ったときの音が「小動物を叩き切る音」と評された。むしろ彼女の私生活が一番謎である。)

他の二人については,今や誰だかわかる声優アーティスト・駒形友梨にしても,事務所を移籍した野村にしても,その都合で『だれ?らじ』から外れてもおかしくなかったのだが,そんなことは一切なく,この調子で3年やってきて,改元と同時期に4年目を迎えた。野村がスペクラを離れたときはどうなることかと思ったのだが,提供が音泉に変わって番組が続いたことは,単なるリスナーとしての私にとっては大きなことだった。と同時に,『だれ?らじ』は事務所という縛りを超えた3人の「ホーム」になったのだと思うようになった。

『だれ?らじ』は私が本当に面白いラジオだと思うので,是非ともお耳を傾けてほしい。がっちり掴まれて引きずり込まれるか,ヤバいと感じて逃げ出すことになるかはわからないが。

『だれ?らじ』を聴く上での前提知識として,パーソナリティそれぞれの呼び名がある。というのも,野村以外は本名とかすりもしない呼び方をされているからだ。代表的な呼び名を次に並べる:

  • 野村香菜子:野村,おのむちゃん,おのむ,お前,BBA
  • 駒形友梨:ベイ,おベイちゃん,おベイ,おベイベイ,ベイ先
  • 角元明日香:まる,まるちゃん,しーまる,明日香
  • サブケツ作家:ケツ作家さん,ケツさん

野村は一応先輩なので「野村さん」と,初期の放送回では野村「さん」と,基本的には「さん」付けで呼ばれていたが,現在ではそんなことは皆無であり,違和感が労働基準法に違反する。

角元については,「しーまる」「まる」が定着する以前は,普通に名前で「明日香ちゃん」(野村からは時々呼び捨て)と呼ばれていた。今でも野村が「明日香」呼びすることはある。おそらく外ではそう呼んでいるのだろう。

駒形については,初回から一貫して「ベイ」およびその派生系で呼ばれている。もはや誰も彼女の名前を憶えていないのではないか?

ケツ作家はスタッフだが実質レギュラーなので併記した。スタッフとの絡みが多いタイプのラジオではあるが,それ以上にケツ作家の立ち位置は特殊だ。どう特殊なのかは一聴すればわかることだろう。

なお,本放送の後のおまけを聴くためには,音泉プレミアム会員になる必要がある。携帯端末アプリ限定であることに注意が必要だ。おまけは 5-8 分程度だが,そのために毎月540円払うに値する。おまけの内容が次回の放送で言及されることも多いので,番組が気に入ったのであれば聴くに越したことはない。

だれ?らじ | インターネットラジオステーション<音泉>

今年は『フリーノート』(ベイ先のブログ。本人以外から存在を忘れられていた。)より更新頻度が下がらないように精進したい。

*1:三連単は破産続きで終了し,後半のパートは『だれらじ風流いとをかし 〜見ざる言わざる聞かざる編〜』(即興でリレー川柳を詠む)を経て,2020年2月現在は『つなぎのコーナー』となっている。

*2:怖い→怪談→夏